2022/05/07
アメリカサンフランシスコにある半導体メーカーのNVIDIA社が「Omniverse」というプラットフォームを構築しました。
無料版のサービスも提供されるなどして話題を浴びています。
日本でも利用されるようになり、アメリカ、中国に次いで世界3位の利用者を誇っています。しかし、まだ認知度が広まっていないのが現状です。
今回は、生産性をはるかに向上させることのできる「Omniverse」についてご紹介します。
Omniverseってどんなプラットフォームなの?
Omniverseを一言で表すと、仮想コラボレーションとリアルタイムシミュレーションのプラットフォームです。
3Dデザインをリアルタイムでシミュレーションでき、共同で作業ができるようになっています。
共有の仮想空間においてクリエイターどうしが繋がり、共同作業ができたり、反復処理ができるようになっています。
そのため、クリエイターやデザイナー、エンジニアといったそれぞれの分野の人たちがお互いの作業を待つことなく、制作やシミュレーションが行えるため、効率的に作業を進行することが可能になっています。
現在では建築や製造業、メディアやエンタメなど様々な業界で利用され、生産性が向上しています。
どうすればこんなすごいアイデアを出すことができるんですかね?
もともとNVIDA社は自社のツールとして「Omniverse」を開発しました。
アメリカのシリコンバレーとイギリスやインドの開発拠点を連携させるために作られました。
3Dデザインはチームスポーツのようなものであり、様々な人が協力して制作します。
そのため、これまではデータを共有する際に適切な形でエクスポートし、送られてきたデータをインポートしてから作業を継続する必要があり、時間のロスが生じていました。
「Omniverse」はそんな協業する際の問題点を克服するために開発されたんです。
全員が共同で作業ができ、リアルタイムでシミュレーションされるため、作業内容の共有にかかる時間を抑えられ、効率的に業務を行うことができるようになったんです。
「Omniverse」には様々なアプリケーションがあり、それぞれに特化したものとなっています。
Omniverse VIEW:リアルなレンダリングでの視覚化を行う。建築や工学の領域に特化。
Omniverse CREATIVE:高度なシーン構成が可能。製造業やデザイナーに特化。
Omniverse AUDIO2FACE:豊かな表情のアニメーションを生成するアプリケーション。
Omniverse ISSAC SIM:ロボティクス開発に特化したアプリケーション。
Omniverse Kaolin:ディープランニングの研究向けのアプリケーション。
これら以外にもアプリケーションがあり、幅広い領域の生産性の向上に貢献しています。
プロジェクトチームが一体となって開発が可能になります。
異なるソフトウェアアプリケーションでも共同で作業を行い、リアルタイムにシミュレーションできることから地理的な分散が生じていても効率的に業務を行えます。
また、短時間で反復作業が行えるためより多くのデザインを追及でき、チームのメンバーはどこからでも随時モデルを閲覧することができます。
製造の開発と製造の連携の難しさをOmniverseは改善します。
初期段階のアイデア出しの段階からスマートファクトリやロボティクスまでシームレスに作業を行うことができます。
また、工場のプランニングから製造プロセスまで最適化することができ、イノベーションを推進していけます。
ビジュアライゼーションは科学シミュレーションのデータを分析する際に有効な手段ですが、そのデータは膨大なものになります。
Omniverseでは離れた研究者でも同じデータを分析し、コミュニケーションを取ることができるため、効率的に研究を行うことができます
「Omniverse」は業務における距離の制約を解消し、これまで以上に生産性を上げることが期待されています。
共同で業務を行う際の時間的なロスをなくすことでより効率的かつイノベーティブに仕事を行うことができるでしょう。
メタバースはそのような物理的な距離の壁を取り払うことができるんです。
様々な領域で「Omniverse」が活用されることでこれまでにない商品が作られたり、革新的な発見がなされたりするようになるかもしれませんね。
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